FUTURE OF WOOD
木材の未来
PROBLEM
木材が不足する住宅市場
ウッドショックによる木材不足
新型コロナウィルス感染症流行の影響により、世界的に住宅建設・リフォーム需要が増加、運搬用コンテナの不足や物流ルートの停滞・縮小も相まって、木材の納期遅延や価格高騰が深刻化するなど、輸入木材の供給リスクが顕在化しました。
輸入木材の価格高騰に伴い、国産木材や木材製品の値上がりが続き、建設工事費や住宅販売価格の上昇など、生活に直結する問題に発展しています。

IMPORETED LUMBER
米材・欧州材の輸入量が減っている
アメリカをはじめ世界中で住宅建設ブームが起こり、木材需要が高まっています。
そのため住宅市場への供給が滞り、今後もこの傾向は続くと予測されています。
市場価値が低い日本への供給が滞る
世界の木材貿易 針葉樹林製材

針葉樹製材貿易における日本の輸入量は、全体のわずか4%にとどまっています。
世界的に木材の需要が高まっている中、アメリカや中国に比べてマーケットが小さい日本への輸出は優先度が低く、十分な量が供給されにくくなっています。
DOMESTIC LUMBER
減少の一途をたどる国産木材
建築に使える木材が減少
人工林の齢級別面積
※ 齢級(人工林)は、林齢を5年の幅でくくった単位。苗木を植栽した年を1年生として、1~5年生を「1齢級」と数える。
※森林法第5条及び第7条2に基づく森林計画の対象となる森林の面積。
建築木材として使える木が育つには30~40年かかります。
戦後に植えられた人工林の5割以上が木材として利用可能になり、多くの国産木材が利用されています。
しかし、利用後の再造林や整備が進んでいないため、国内の建築木材は減少していくことがほぼ確実視されています。
木材生産の担い手がいない
林業従事者と高齢化率
建築木材となる人工林の整備を担う林業従事者ですが、長期的に減少傾向で推移しており、令和2年(2020年)には44,000人まで減りました。
また、高齢化率(65歳以上の割合)は25%まで達しており、全産業平均の15%を大きく上回っています。
従事者の総数が増加する見込みは低く、人工林の整備は今後も進まないと予測されます。
NEEDS
住宅需要はなくならない
新設住宅着工戸数予測
2030年までの住宅リフォーム市場規模予測
日本の新築住宅着工数は人工・世帯数の減少や住宅余りを理由で緩やかに減少する見込みです。
一方、経年劣化に伴う修繕需要や住生活空間の充実を図るようなリフォーム需要は底堅く推移する見込みのため、建築木材の需要は大きく落ち込まないと考えられます。
SOLUTION
ロシア木材という選択肢
住宅需要全体を見ると緩やかな減少傾向にありますが、建築木材の不足は深刻化していく見込みです。
これまで建築木材の多くを占めていた米材・欧州材の供給増加が期待しにくい中、新しい木材としてロシア材への注目が再び高まっています。
